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マンツーマンによる個別プログラム
詳しい内容、マンツーマンの風景                  



 一人ひとりに合った学び
学びの広場では一人ひとりに合った学びを考えます。
はじめは趣味の話題や遊びを通して徐々に関係を築いていきます。担当になったスタッフと話したり、一緒に個別プログラムに取り組んだりしながら、継続的にじっくり向き合っていきます。
このような関わりの中から本人や家族からのご要望に応じ、学習支援や自立に向けた活動へとひろげていきます。
 スタッフ全員で
毎週一回マンツーマンを担当するスタッフ全員が集まり研修会を開きます。一人ひとりと一緒にした学習や活動の中での、喜びと悩みを分かち合い、スタッフ同士でアドバイスしたり、アイデアを出し合ったりします。学びの広場全体で一人ひとりを支えていく体制を作っています。
 曜日、時間はご相談に応じます
月曜日〜土曜日 10時〜19時、1回70分、90分、120分から選べます。
 90分の場合の会費の例です。(どれも税込です)
<月額>
90分×1回/月
7,560円
90分×2回/月
14,410円
90分×4回/月
26,400円
 
入会金    15,000円
 
“体験マンツーマン”もできます。
1回につき60分 3,300円


マンツーマンの風景










(まね)びの広場


 「学ぶ」という言葉は「真似ぶ」からきているという説を読んだように思い、そんな話をしたのですが、気になって古語辞典をひいてみました。そうしたらビックリ、なんと学ぶはもともと、マナブでなくマネブと読んだとあります。平安時代ならここは「学び(マネビ)の広場」です。
 広場での絵は、絵本から大いに学び(マネビ)を行ってます。模写ですね。最近は、築地の写真集も 加わりました。写真集にしても、すぐに模写するのでなく、その直前に伴読(交互の音読)を私と行ったあと、気に入ったところを描くのです。私もつき合いで描きます。
 築地の写真集では、「タコ屋のシンちゃん」が断トツに人気があり、みんなよくとりあげて描きます。 私も4〜5枚描いてます。彼は何回も登場していて、どれも魅力的な表情なので、描いていて楽しいのです。しかし、写真には表現されている彼の内面がどうも私の絵には描けてないという不満があ3りました。
 先日初めて写真集からその「シンちゃん」を描いたKさんの絵を見てビックリ しました。私が描きたかったところが、特に目もとにしっかりと描かれていたか らです。あとで、写真集の著者の山下さんにその絵を見せたら、彼も同感だと言 ってました。そして、こうつけ加えました。「人物を撮る時は、その人の目に集中する。目にはその人らしさが表れるから」

(加藤)


                 

  








「百万回生きたねこ」を読んで

                (講談社)
なつかしいなあ、と二人で言いあいな
がら、「伴読」 (交互に音読)をして、
そのあと好きな場面を描いて、 「感想
文」というとかまえてしまいますが、
「感想ばなし」 には花が咲きましたよ。

(平)



百万回生きたねこは、最初はとてもハッピーだけれど、最後は死んじゃってハッピーエンドじゃなかった。
(加藤) じゃ、百万回生きてる間、その猫は、ハッピーだったのですか?
(平) 猫は欲求不満だった。人間嫌いだったから。
(加藤) そういわれてみると、猫はずっと好きでもない人間と暮らしていましたね。
(平) サーカスではかっこよくて、拍手かっさいを受けた。でもまっぷたつに切られて死んだ。
(加藤) 最後はのら猫になりました。
(平) のら猫になって十分に満足できた。
(加藤) しろ猫に会いました。
(平) それによって猫らしく暮らすことが出来た。
(加藤) 白いねこと結婚して、かわいい子ねこもたくさん生まれて、ねこは幸せだったんだよね。
(平) 白いねこが年をとって死んじゃう。
(加藤) 白いねこは、普通のねこだから一回死んだら、それで終り。ねことちがって生き返らない。
(平) 白いねこは、ねこにとって思い出ぶかいねこだった。ねこは初めて泣いた。何日も泣き続け
て、泣きやんだ時に、ねこは死にました。
(加藤) 何度も死ぬたびに生き返った猫は今度は、死んだままだった。
(平) 生き返っても、もう二度と白いねこには会えないから、死んだままでいいと思ったんじゃ
ないかな。


               

  






Tさんとのマンツーマンで「パラレルワールド」とはなんだろうという話になりました。 お互いに自分の考えるパラレルワールドについて語り合ったり、ネットで調べたりしました。 そして自分のパラレルワールドをTさんと私、それぞれ文章にして書いてみました
(A.Y)

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パラレルワールドについて

TVの仮面ライダーと原作の仮面ライダーは、世界がちがうのです。TVの仮面ライダーは、ゾル大佐や死神博士や地獄大使やブラック将軍が出てくる。けれど原作の仮面ライダーは死神博士も地獄大使も出てこない。さいとうたかを原作の超人バロム・1(ワン)について、「超人バロム1(ワン)はうそ(フィクション、作り物)だと思ったら見なくてもいいじゃん」と言った人がいたが、そんな人は、仮面ライダーの世界で悪役で出てくればいい。そんな場面があってもおかしくない。それはともかく、さいとうさんの原作では、ショッカーが日本政府の人たちの役をしていた。ドラマの最後に広島の原爆でひばくした少年が死んじゃった。ひげきてきなラストだった。原作の仮面ライダーの世界を、TVの仮面ライダーの世界から見ればパラレルワールドだった。 (K.Tさん)


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パラレルワールドについて

   ・コロナウィルスは発生していない
   ・幸せウィルスが広がる

2020年、日本の国分寺、お鷹の道の湧き水を飲んだ人がなぜかニコニコ幸せな気分にな った。これはすごいと湧き水のことが口コミで広がり、日本中が大騒ぎになった。その水 を飲んだ人だけでなく、その人が作った料理を食べた人、さらにはその人の触った物に触 れた人、その人の声を聞いた人も幸せモードに包まれるようになった。さらに国分寺から、 中央線沿線〜東京都全体〜関東地方全体へと幸せモードが広がっていった。みんながニコ ニコして、人にものをゆずったり助けあったりするのでどんどんハッピーな気持ちになる 人が広がっていった。 ごはんが食べられて人が一緒にいることが幸せだねと思えて、困っている人がいればあ たりまえのように助けあったりした。このハッピーモード、世界にも広がり戦争していた 人たちは「なんで戦ってたんだっけ?」と言って争いも少なくなった。 (A.Y)







親しい漢字
少し前のことになりますが、広場の1月のカレンダーに「親しい漢字」として、 切手大(もとはハガキ大)の4作品が紹介されてました。スペースの約半分に好きな 漢字・気になる漢字を墨書して、下に5行ほど4Bの鉛筆で、その字にまつわる思 いを書く、というものです。
全体のスタイルについて説明しただけで、そのあと、私は一切口を出していない のですが、興味深いことに5人のうち4人が家族の名前から一字ピックアップしていま した。「英」は御本人の名前からと思ったら、父上のそれからでした。自身の名前か ら一字をとりだして書いた人もいます。 家族や自分の名前に誇りを持っていることが伝わってきますね

                     
父と息子と
共通の字
  笑いは自分
だけのもの
  祖母と孫
どこか似ている字
         
     
弥生三月梅桃桜 平和の和でもありますね  






マンツーマンの時間に俳句作りをしています。しばらくおしゃべりをしていると、 自然に何を俳句にしたいかが浮かんできます。できた俳句は筆で書きます。皆、 俳号を持ってます。それぞれ、その人らしい号が付いてます。誰だか想像して みてください。

(加藤)

朝の出勤時でしょうか。急ぎ足―アブナイアブナイ
先の「春一番」はキャンディーズですね。外には春一番
                         が吹いていた、と。
新装なってだいぶたちますが江の島水族館、評判いい
                           ですね。
白馬村でのスキーは気持良かったでしょうね。
北周さんの体格からすると、普通盛りだと少なくなかっ
                         たかな。
隣り町の職場だそうで、近くてよかったね。







K君が広場に来たのは小学生の時でした。通っている特別支援 学級では教科学習が少なくもっと学習したいということでし た。広場に来ると、まず教科書を見てできそうなところを選び 「今日はこれがやりたい!」“やりたい、でもむつかしそう、 わからないのはいやだ”そんな彼の気持ちにそいながら一年生 の教科書から始め、少しずつ新しい問題を進めていきました。 掛け算、割り算と進み、5年生になって分数も始めました。す べてをやるのではなく、興味にあわせて学ぶ楽しさを味わいな がら、「わかった!またやってみたい!」そんな気持ちを大切 にしたいと思いました。ある日「がしんしょうたんって字書け るよ」とホワイトボードに書いてくれました。「むつかしい言 葉を知ってるね。どういう意味?」ということで辞書を引いて みることにしました。クイズ番組が大好きなK君はいろんな言 葉を知っています。辞書を引いたり、その言葉を使ってみるこ とでさらに彼の世界は広がります。その後、漢字検定の学習に も取り組み、5級、4級、3級と合格しました。漢字の練習を しながら、その言葉の使い方や、クイズに出た言葉の話や、時 にはまったく関係ない話に脱線したりしながら楽しく進んでいくの が彼のやり方でした。(前田)







Yくんは小学校6年生。広場のドアを開けるとニコニコ満面の 笑顔で「こんにちワー」、その笑顔に私の気持ちもパッと明る くなって「こんにちワー」。勉強を始める前に今は3か月前か ら制作中のE6系新幹線の続き制作をします。設計からYくん オリジナル。それをボール紙で組み立てていきます。自動ドア があったり、座席を豪華シートにしたりととても凝っていま す。そして作りながらE6系について熱く語ってくれるのです。 好きな事、得意な事があるというのは強みでYくんはそこから 勉強にもつながっていきました。好きな鉄道の本を読んだり、 設計に必要な計算をしたり、うまくいかないところを何度も根 気よくやり直したり創意工夫をしたり。最初のころは、勉強に ちょっと自信なかったYくんも最近ではこちらがびっくりする くらい意欲的です。少しずつ「できること」を積み重ねていき ながら「できた!これもできるぞ!もっとやってみよう!」と 伸びる力を大切にしたいと思っています。(吉田)







Sさんとは長いつきあいです。はじまりは十代なかばであっ たと思います。二十代の今、社会人になってからは、月に二回、 土曜日の昼の二時間を、ずっと一冊の本を交互に朗読するとい うことをつづけてきました。今は、『東海道中膝栗毛』(村松 友視、原作十返舎一九)。おなじみのやじさん北さんのかけ あいを二人で、交互に声を出して読んでいると楽しい。江戸時 代の、のどかな時間の中にいるような気がしてきます。江戸を 出発して、三島浜松を過ぎ今は岡崎あたりをてくてく歩いてい るから、この夏あたりで読了するでしょう。次の本を又、二人 で決めるのが楽しみです。では、前のテキストは何であった かというと『少年H』でした。妹尾河童さんがご自身の神戸で の少年時代を回想したこの本は上下二巻の大冊でした。二人 で、じっくりと音読していくと、戦時下の昭和時代の中にいる ような気がしたものです。一冊の本をじっくりと二人で音読 していくというやり方を、私はSさんだけでなく、マンツーマ ンの基本にしています。しっかりと発声して自分の声に耳をす ますということは、途中しばしば出てくる雑談も含めて、とて も意義深いことだと、長年の経験を通じての感想です。「Sさ ん、それじゃ又、再来週に・・・」。(加藤)







20代半ばの青年のSさんは、中学1年生の時から広場に通っ ているので、もう10年以上になります。そんなSさんが今、 広場で楽しみにしていることの一つは手紙を書くことです。私 がSさんとマンツーマンで直接かかわるようになったのは、1 年前のことです。それまでは一人の女性スタッフが10年来関 わってきましたが、彼女の退職を機に私が受け継ぐことになり ました。Sさんが、手紙を書く相手というのは、その元スタッ フの彼女です。文字を書くことはあまり得意ではないSさんで すが、彼女へ手紙を書いているときは、心のこもった読みやす い字を書きます。私と交代したばかりのSさんは、不安定な時 が続きました。原因を探ると思い当たることがありました。そ れは、女性スタッフとの最後のマンツーマンが都合でできなく なり、お別れの挨拶ができずに終わってしまったためでした。 言葉でのコミュニケーションが苦手なSさんにとっては、大好 きな広場に来て彼女に会えないことが、腑に落ちていなかった のだと察しました。私は、Sさんに彼女に手紙を書くことを提 案しました。最初は中々気乗りのしなかったSさんでしたが、 なんとか手紙を完成させました。その手紙を自分の手でポスト へ投函し・・・そして返事が返ってくると、よほど嬉しかった のでしょう!Sさんの中で、手紙を書くということが一方通行 のものではなく、相手にちゃんと伝わって、返事がかえってく るんだということが、繋がったのです。それからのSさんは、 見違えるように安定し、広場に来るなり「年賀状(手紙)書こう ね!」と、言っては熱心に手紙を書き、この間、3通目の手紙 を出しました。(柳澤)




Nさんとは、パステル画を描いたり、ちりめん細工をつくった りしています。先日はティッシュ工作に挑戦しました。ティッ シュをまるめたり、ねじったりして動物や食器などを作ってい きます。見本の写真を見ると簡単そうですが、実際作ってみる と思いのほか難しいものでした。写真はお花とキャンデイで す。 (吉田)















ここのところAさんとは、J-POPの歌を使って、ことば(日本 語)の学習をしています。まず彼がひろばに到着すると、私が何 曲か弾き語りを始めます。Aさんはそれに合わせてノリノリで 踊り始めます。スピッツが好きだったので、『チェリー』をは じめ私もおかげで何曲も覚えました。しばらく踊ったあとで、 原稿用紙に歌詞を書き写していきます。まだ小学生の頃いっし ょに個別の時間を持ったこともあるので、「こんなにたくさん 書けるようになったんだ!」と、私もビックリしています。も ともと音感バツグンの人なので、好きなものを書くのは苦にな らないのですね。今では、斉藤和義さんの『やさしくなりたい』 や『歌うたいのバラッド』、他にも、いきものがかりやGReeeeN なども、ひとしきり踊ったあとで書いています。先日、今まで のをファイルしてみたら、お気に入りのオンリーワンの歌集が できました。私自身、中学の時ギターに触れ、Fのコードがや っと位で中断していたのに、ひろばの人たちのおかげで趣味が 拡がりました。“支援”というのは、一方向でなくお互いの関 係性なんだと、身を持って感じている今日この頃です。
(清水)